このページでは、初心者向けのPLCラダーシーケンス制御の解説をしています。
今回は順序回路について解説します。
順序回路は、自動シーケンス制御のソフトを作る上で最も重要な項目となります。
ですので、しっかりと理解を深めていただきたいと思います。
順序回路を理解するためには『自己保持』回路を先に理解しておく必要があります。
自己保持回路について、まだわからないという方は
先にこの記事を確認しておいてください。
順序回路とは
順序回路とは 次のように定義されています
順序回路は過去の内部状態と取得時の入力信号とで出力が決まる回路である。組み合わせ回路は、伝播遅延によって信号が遅れることを除けば、入力の組み合わせだけで出力が一意に決まるが、順序回路はループにより内部に状態を保持しており、過去の入力に影響されるその状態も、出力の決定に関わる。入力信号の組み合わせによっては「不定」になる場合がある
Wikipediaより
もう少しわかりやすく解説します
順序回路とは、機械をきまった順序で動作させるための回路です。
例えば洗濯機の場合次のような順序で装置が動作します。
- 洗濯ものを入れてスイッチON
- 水を注入
- 水が満タンになったら、洗濯開始
- 洗濯が終わったら、すすぎ開始
- すすぎが終わったら、脱水開始
- 自動運転完了
この洗濯機の例のように、装置を決められた順序に従って動作させるためには順序回路を使用する必要があります。
順序回路の基本形
では、順序回路の基本回路について解説します。
順序回路は次の図のような形をしています。
入力条件 X0 X1 X2 X3 が 成立することで M0 M1 M2 M3 が順番にONします。
順番に関係なく、X2が先にONしたとしても M1がONになっていない場合、M2の状態には変化がありません。
X0 が ON すると M0 がONになります。
そして次行の X1 の ON 待ちになります。
同様に X1 が ON すると M1 が ON になります。
そして次行の X2 の ON 待ちになります。
最後に X3 が ON すると M3 が ON になります。
M3 が ON すると 1行目の自己保持が解除されますので
M0 ~ M3 が 全て OFF になります
順序回路の動作を動画でも確認できるように 動画GIF にしておきます。
動画をよく見て動作を確認しておいてください。
順序回路の応用
これまでに解説してきたように順序回路を使うと、動作の順序を記述できるようになります。
最初に例に示した洗濯機を例にすると次のような回路になります。
ラダー回路のコメントを確認してください。
上から下に向かって洗濯機の動作が進行していく様子がわかると思います。
順序回路まとめ
今回は、自己保持を応用した順序回路について解説しました。
順序回路を使うことで装置の自動運転のプログラムを作ることができるようになります。
実際の自動プログラムについては別の記事で紹介します。
順序回路を使用したプログラムの動作シミュレーション動画をYOUTUBEにアップしていますので一度確認してみて下さい。